今治タオルの「本物」の見分け方|認定基準の中身と、泉州タオルとの違い

ふるさと納税
「今治タオル」は日本でもっとも知られたタオルのブランドですが、今治で作られたタオルがすべて「今治タオルブランド認定品」というわけではありません。この2つは別の商標で、意味が違います。この記事では今治タオル工業組合の公式資料をもとに、認定基準の中身、よく語られる「5秒ルール」の正確な内容、そして泉州タオルとの違いを整理します。

「今治タオル」と「今治タオルブランド」は別物

混同されがちですが、認定機関である今治タオル工業組合は、2つの異なる商標を管理しています。

地域団体商標「今治タオル」 「今治タオルブランド」(認定マーク付き)
意味 今治タオル工業組合の組合員企業が製造したタオル 組合の品質基準に合格した商品
登録 登録第5060813号/2007年7月6日登録 今治タオルブランド商品認定事業規約に基づく認定
見分け方 赤・青・白のブランドマーク(織ネーム)が付く

つまり、今治で、組合員企業が作ったタオルであっても、品質基準に合格していなければあのマークは付きません。逆に、マークが付いていれば品質基準に合格した認定品であることが保証されます。

織ネームには組合員企業番号が入っており、今治タオル工業組合の「今治タオルブランド商品検索」データベースで照会すれば、どのメーカーが製造したかを確認できます。

組合の正式名称は今治タオル工業組合です。1958年に発足した「四国タオル工業組合」が2017年に改称しました。古い記事では旧名称のままのものが多いので注意してください。組合員数は令和8年4月現在で68社です。

認定基準の中身(公式データ)

今治タオル工業組合が公表している品質基準は、吸水性だけではありません。実際にはこれだけの項目があります。

試験項目 試験方法 基準値
吸水性 JIS L1907 沈降法 5秒以内(未洗濯・3回洗濯後の両方で合格)
脱毛率 JIS L0217 洗い方103法 0.2%以下
パイル保持性 バス・キッチンタオル 2.45cN/パイル以上
フェイス・ウォッシュタオル 2.16cN/パイル以上
染色堅ろう度(耐光) 4級以上(パステル色・淡色は3級以上)
染色堅ろう度(洗濯) 変退色4級以上/汚染4級以上
染色堅ろう度(汗) 変退色4級以上/汚染3-4級以上
染色堅ろう度(摩擦) 乾燥4級以上/湿潤2-3級以上
引張強さ 縦147N以上/横196N以上
破裂強さ 392.3kPa以上
寸法変化率 ±7%以内
遊離ホルムアルデヒド 吸光度差0.03以下

注目すべきは「3回洗濯後」でも吸水性5秒以内が求められる点です。新品のときだけ吸水がいいタオルは珍しくありませんが、洗ったあとも維持することを基準にしているのが今治の厳しさです。

もう一つ、遊離ホルムアルデヒドの基準があることも見逃せません。赤ちゃんの肌に触れるものとして選ばれる理由の一つがここにあります。

「5秒ルール」の正しい意味

インターネット上には「1cm四方のタオル片を1リットルのビーカーの水に浮かべ、5秒以内に沈み始めたら合格」という具体的な説明が数多く出回っています。しかし組合公式の品質基準表にビーカーの容量やタオル片の寸法は記載されていません。正確には「JIS L1907 沈降法で5秒以内」です。

公式ブランドサイトも、一般向けには「タオル片を水に浮かべたとき、5秒以内に沈み始めるかどうか」という平易な表現を使っています。これはタオルに残った糊や油分が少なく、繊維がすぐ水を吸える状態にあることを確かめる試験だと理解すれば十分です。

なお、マイクロファイバーなど比重が低くて沈降法が使えない素材には、滴下法で1秒以内という別の基準が設けられています。

ロゴマークの色の意味

赤・青・白のマークはアートディレクターの佐藤可士和氏によるもので、2006年からのブランディングで生まれました。公式サイトが示す色の意味は次のとおりです。

  • :活動的・先進的であること、社会の注目を集める存在であること
  • :品質に対する安全と安心、信頼、歴史と伝統(高品質のシンボル)
  • :やさしさ、清潔感、無限の可能性

「赤は太陽、青は水、白は雲」という説明をよく見かけますが、これは公式サイトの記述とは異なります。

今治タオルを探す

購入時は商品ページの画像で、赤・青・白のブランドマーク(織ネーム)が写っているかを確認してください。

泉州タオルとの違い — 後晒しと先晒し

大阪府の泉州地域は、日本のタオル発祥の地です。1887年(明治20年)、里井圓治郎が筬(おさ)の特殊運動でパイルをつくる「打出機」を考案し、日本で初めてタオルの製織に成功しました。

今治と泉州の最大の違いは、晒し(さらし)の工程をいつ行うかです。

泉州タオル(後晒し) 今治タオル(主に先晒し先染め)
工程 タオルを織り上げた後に晒す 糸の段階で晒し・染色してから織る
吸水性 糊と油分が徹底的に除去され非常に高い 糊が残りやすいため基準を設けて担保
デザイン 晒し後に染めるため単調になりやすい 色彩豊かで華やか。ジャカード織など
向いている用途 毎日使う実用タオル ギフト・見た目重視
価格帯 比較的手に取りやすい やや高め

今治が先晒し先染めに適しているのには理由があります。高縄山系・石鎚山系の伏流水は重金属が少なく硬度成分も低い軟水で、綿糸の白度・発色・やわらかさを引き出せるのです。産地の水質が製法を決めた、という関係になっています。

誤解しやすい点:「今治=先晒し/泉州=後晒し」は産地の主流の違いであって、排他的な定義ではありません。今治でも後晒しの製品はつくられています。業界団体の整理では製法は後晒し後染め・先晒し先染め・先晒し後染めの3種があり、今治産地では主に先晒し先染めが採用されている、というのが正確な表現です。
泉州タオルを探す

毎日使う実用タオルとしてのコストパフォーマンスは泉州が優れます。

結局、どちらを買うべきか

用途で分けるのが最も合理的です。

今治タオルを選ぶべき場合

  • 贈り物にする(出産祝い・内祝い・結婚祝い)— 認定マークが品質の保証として機能し、相手にも伝わります
  • 色やデザインにこだわりたい — 先染めの色数の豊富さは泉州にはない強みです
  • 赤ちゃんや肌の弱い人が使う — ホルムアルデヒド基準を含む11項目の検査を通っています

泉州タオルを選ぶべき場合

  • 自宅で毎日ガシガシ使う — 吸水性の高さと価格のバランスが優れます
  • 枚数を揃えたい — 同じ予算でより多く買えます
  • 洗濯機で頻繁に洗う — 消耗品と割り切って買い替えるサイクルに向きます

結論としては、贈るなら今治、自分で使い倒すなら泉州。両方を使い分けるのが最も賢い選び方です。

偽サイトの見分け方

今治タオル工業組合は2020年8月22日付で、ブランドロゴマークを無断使用した不審サイト・SNS広告への注意喚起を出しています。組合が挙げる「怪しいサイトの特徴」は次の6つです。

  1. サイトやSNS広告の日本語が不自然である
  2. 支払いが銀行振込のみで、振込先が個人名義である
  3. 問い合わせ先がフリーメールアドレスである
  4. 特定商取引法の表示が不完全(会社名・住所・電話番号の欠落)
  5. 価格が極端に安価である
  6. 商品の送付方法がEMSなどの海外郵便である

ブランドマークは商標法で保護されており、組合の許可なく誰も使用できません。極端に安い「今治タオル」を見かけたら、まずこの6項目を確認してください。Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングなどの大手モールで、出品者情報が明記されている店舗から購入するのが最も安全です。

今治タオルを大手モールで探す

出品者情報が明記された正規の販売店から購入するのが確実です。

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