ふるさと納税のポイント廃止で、結局どのサイトを使えばいいのか|2026年の正解

ふるさと納税
2025年10月1日、ふるさと納税のルールが大きく変わりました。ポータルサイトが寄付者にポイントを付与することが禁止されたのです。「楽天ふるさと納税でポイント◯倍の日を狙う」という、これまで当たり前だった戦略が使えなくなりました。では2026年のいま、何を基準にサイトを選べばいいのか。総務省の告示と一次資料をもとに整理します。

何が禁止されたのか(告示の中身)

根拠は、平成31年総務省告示第179号の改正(令和6年総務省告示第203号、2024年6月28日公布)です。自治体が総務大臣の指定を受けるための「募集適正基準」に、次の内容が追加されました。

禁止されたのは、寄付に伴って寄付者に金銭その他の経済的利益を提供する者を通じた募集です。第三者を通じて提供する場合も含まれます。あわせて、寄付者から返礼品を買い取って現金化する返礼品買取業者を通じた募集も禁止されました。

適用は2025年10月1日以後に開始する指定対象期間から。実務上、主要ポータルサイトのポイント還元は2025年9月30日をもって終了しました。

総務省の立場は「ふるさと納税は返礼品ではなく、寄付金の使途に着目すべき制度である」というものです。ポイント競争にサイトが費用をかけるほど、自治体に残る財源が減るという問題意識が背景にあります。実際、令和6年度の実績では受入額1兆2,728億円に対し、募集費用が約4,693億円(46.4%)、うちポータルサイト手数料が1,656億円(13%)を占めていました。

クレジットカードのポイントは今も付く

ここが最も誤解されている点です。総務省のQ&Aによる線引きは以下のとおりです。

種類 2025年10月以降
ポータルサイトが付与するポイント 禁止
ふるさと納税の決済を対象に追加的に付与されるポイント 禁止
ポイントサイト経由での付与(ポータルが直接付与しない形) 禁止
クレジットカード決済に伴う通常のポイント 対象外(今も付く)

つまり、還元率の高いクレジットカードで決済すれば、そのカード本来のポイントは変わらず貯まります。10万円寄付するなら、還元率1%のカードで1,000円分、1.5%のカードなら1,500円分の差が出ます。ポイント目当ての最適化が完全に消えたわけではなく、戦場が「どのサイトを使うか」から「どのカードで払うか」に移ったと理解するのが正確です。

楽天は総務省を提訴した

この規制に最も強く反対したのが楽天グループです。経緯を時系列で整理します。

  • 2025年3月16日:反対署名が2,952,819件に到達。3月18日に石破首相へ提出
  • 2025年7月10日:楽天グループが東京地方裁判所に、当該告示の無効確認を求める行政訴訟を提起。「ポイント付与の一律全面禁止は地方税法の委任の範囲を超え、総務大臣の裁量権の逸脱・濫用である」「付与率の上限設定で足りるはず」「クレジットカード決済ポイントとの間に不均衡がある」と主張
  • 2025年9月:東京地裁で第1回口頭弁論。国側は「保護されるべき利益は納税者や自治体にあり、楽天に訴訟資格はない」として訴えの却下を求めた
本記事の調査時点(2026年8月)で、その後の判決・和解に関する続報は確認できませんでした。係争中という理解が正確です。最新の状況は各社の報道でご確認ください。

では2026年、どう選ぶべきか

ポイントという横並びの比較軸が消えたことで、サイト選びの基準は次の3つに絞られました。

① 返礼品の品揃え(最重要)

ポイントで差がつかない以上、欲しい返礼品が置いてあるサイトを使うのが最も合理的です。特に伝統工芸品は、自治体がすべてのポータルサイトに出品しているとは限りません。南部鉄器や曲げわっぱのように、特定のサイトに特集ページが常設されているケースもあります。

サイト 特徴
ふるさとチョイス 掲載自治体数が最多クラス。工芸品の特集ページが充実
さとふる 配送の早さに定評。申込〜到着の管理がしやすい
楽天ふるさと納税 楽天IDでそのまま寄付できる。楽天カード決済のポイントは付く
ふるなび 家電の掲載に強い。工芸品の検索性も高い

② 決済に使うカードの還元率

前述のとおり、カード側のポイントは今も有効です。年間10万円寄付するなら、普段使いのカードのなかで最も還元率の高いものを選ぶだけで数千円分の差になります。

③ ワンストップ特例の申請のしやすさ

オンラインでワンストップ申請が完結する仕組み(マイナンバーカードを使った電子申請)に対応しているかどうかは、実務的な手間に直結します。紙の申請書を5自治体分、翌年1月10日必着で郵送するのは、想像以上に面倒です。

2026年以降、さらに制度が変わる

ふるさと納税は毎年ルールが変わる制度です。すでに決まっている今後の変更を押さえておきましょう。

募集費用の透明化(2026年9月30日〜)

令和7年総務省告示第220号により、自治体は1支払先あたり100万円以上の支払について、支払先・支払額・支払目的を毎年度9月30日までにウェブサイトで公表することが求められます。令和7年度分の初回公表は2026年9月30日までです。

実質的な「経費6割ルール」(2026年10月〜段階施行)

令和8年度税制改正大綱で、寄付額から募集費用を引いた「寄附金活用可能額」が寄付額の60%以上であることを要件とする方針が示されました。段階的に引き上げられます。

時期 要件
2026年10月〜 52.5%以上
2027年10月〜 55%以上
2028年10月〜 57.5%以上
2029年10月〜 60%以上

これは返礼品の内容が今後じわじわ渋くなっていく可能性を示唆します。自治体が使える経費が減れば、還元率の高い返礼品から順に見直されるためです。

住民税の特例控除額に上限(2027年の寄付分〜)

住民税の特例控除額に193万円の定額上限(給与収入1億円相当)が設けられます。適用は令和9年(2027年)の寄付分からです。基本控除(10%相当)には上限はありません。

そのほか

  • 指定取消の効果が「一律2年」から「3年以内」に拡大(2026年4月1日以後の違反)
  • 基準違反の遡及考慮期間が前1年から前4年に拡大
  • 寄付金の使途の公表が義務化(決算認定後、遅滞なくウェブサイト掲載)
まとめると:制度は年々「寄付者にとって渋くなる」方向に進んでいます。ポイント廃止はその一歩目に過ぎません。欲しい工芸品があるなら、条件が良いうちに動くほうが有利という状況です。

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