年末は台所の道具を見直す、年に一度の機会です。大掃除で全部出すので、傷んだものが目に入る。おせちや来客で使う頻度も上がる。買い替えるなら、いまです。
何を替えるべきか、判断の基準から整理します。
買い替えの判断基準
替えどきのサイン
- 使うのに「気合い」が要る … 切れない包丁、重い鍋。無意識に避けているものは、すでに寿命です
- 衛生的に不安がある … まな板の深い傷、黒ずんだふきん
- 数が足りていない … 来客のたびに足りなくなる取り皿
- 3年以上「そのうち替えよう」と思っている … 買い替えの判断は、もう出ています
逆に、替えなくていいもの
まだ使えるのに新調するのは、台所の物を増やすだけです。日本製の道具は手入れをすれば長く使えます。買い替えの前に、まず研ぐ・洗う・乾かすを試してください(手入れの記事)。
まだ使えるのに新調するのは、台所の物を増やすだけです。日本製の道具は手入れをすれば長く使えます。買い替えの前に、まず研ぐ・洗う・乾かすを試してください(手入れの記事)。
① 包丁
台所で満足度がいちばん変わるのが包丁です。切れない包丁は、料理そのものを面倒にします。
| 鋼(はがね) | ステンレス | ステンレス割込 | |
|---|---|---|---|
| 切れ味 | 非常に良い | 良い | 良い |
| 錆び | すぐ錆びる | 錆びにくい | 錆びにくい |
| 向く人 | 毎回拭ける人 | 手間をかけたくない人 | ほとんどの家庭 |
迷ったらステンレス割込の三徳包丁です。切れ味を出す芯材をステンレスで挟んだ構造で、切れ味と扱いやすさの両取りができます。
産地では、堺打刃物(大阪府堺市)と越後三条打刃物(新潟県三条市)が経済産業大臣指定の伝統的工芸品です。岐阜県関市の刃物は指定対象ではありませんが、これは関が早くから機械化と量産の道を選んだためで、品質の話ではありません(包丁の記事)。
② まな板
包丁を新しくするなら、まな板も見てください。硬いまな板は、包丁の刃を痛めます。
| 素材 | 刃への当たり | 手入れ |
|---|---|---|
| ひのき・いちょう | やわらかく、刃に優しい | 使ったら立てて乾かす。反り止めの手入れが要る |
| プラスチック | やや硬い | 漂白できる。食洗機対応が多い |
| ガラス・強化樹脂 | 硬い。刃を痛めます | 手入れは楽だが、包丁のためには避けたい |
いちょうのまな板
適度な弾力があり、水はけがよく、包丁の当たりがやわらかい。日本の台所で長く使われてきた素材です。使ったら立てて乾かすだけで、何年も持ちます。
適度な弾力があり、水はけがよく、包丁の当たりがやわらかい。日本の台所で長く使われてきた素材です。使ったら立てて乾かすだけで、何年も持ちます。
③ 器(取り皿・小鉢)
年末年始は取り皿が足りなくなる季節です。来客、おせち、鍋。ここで買い足しておくと、翌年一年が楽になります。
産地の性格はこう分かれます。
| 産地 | 指定名称 | 性格 |
|---|---|---|
| 佐賀県有田町 | 伊万里・有田焼 | 薄く硬い磁器。来客用・特別な食卓 |
| 長崎県波佐見町 | 波佐見焼 | 飾らない普段づかい |
| 岐阜県(土岐・多治見ほか) | 美濃焼 | 様式の幅が広い。数を揃えやすい |
買い足すなら15〜18cmの取り皿がいちばん出番があります。大皿は立派ですが、年に数回しか使いません(うつわの記事)。
④ 鍋・調理道具
新潟県燕市は金属加工の産地で、公式サイトによれば、戦時の需要をきっかけに「これまで長い間養ってきた高度な金属加工技術をもとに、金属洋食器の大量生産に成功」した地域です。鍋・調理器具・カトラリーが強い。
隣の三条市は刃物と工具。「刃物は三条、鍋とカトラリーは燕」が基本の分け方です(燕三条の記事)。
年末に見直したい調理道具
- 片手鍋(16〜18cm) … 味噌汁と少量の煮物。いちばん使う鍋
- 玉子焼き器 … 鉄製は育つ。弁当を作る家なら投資する価値がある
- ざる・ボウル … ステンレスの継ぎ目がない一体型は洗いやすく衛生的
- おろし金 … 切れないおろし金は、大根おろしを水っぽくします
⑤ ふきん・タオル
いちばん見落とされ、いちばん買い替えるべきものです。黒ずんだふきんは、洗っても衛生的に戻りません。
台所のタオルも同じです。今治タオル工業組合の認定基準には、吸水性・脱毛率・染色堅ろう度に加え遊離ホルムアルデヒドの項目が含まれます。口に入るものを扱う場所で使うなら、基準が明示されているものを選ぶ意味があります。
年末の入れ替えルール
「新しいものを買ったら、古いものは掃除用に降ろす」。台所用 → 掃除用 → 処分、という流れを作っておくと、いつまでも古いふきんが台所に残りません。
「新しいものを買ったら、古いものは掃除用に降ろす」。台所用 → 掃除用 → 処分、という流れを作っておくと、いつまでも古いふきんが台所に残りません。


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