ただしここにも、よく混同される点があります。若狭塗は経済産業大臣指定の伝統的工芸品ですが、燕の金属洋食器は指定ではありません。その理由から説明します。
若狭塗という指定と、若狭塗箸という商標
福井県小浜市の若狭塗は、経済産業大臣指定の伝統的工芸品です。ここで少しややこしいのは、指定名称は「若狭塗」であって「若狭塗箸」ではないことです。
| 名称 | 位置づけ |
|---|---|
| 若狭塗 | 経済産業大臣指定の伝統的工芸品(漆器の分類) |
| 若狭塗箸 | 特許庁の登録商標(第5067438号) |
つまり若狭塗という技法があり、それを使った代表的な製品が箸だ、という関係です。若狭塗の技法は盆や椀にも使われます。
200種以上の塗り
若狭塗が独特なのは、塗り重ねた層を研ぎ出して模様を出すという点です。若狭塗箸協同組合の公式説明を引用します。
「貝や卵殻、松葉や紐を下地塗をした上において模様をつけていきます。そのまま塗り込んでいくものと、取ったその後の型に漆を重ねて凹凸をつける方法があります」
― 若狭塗箸協同組合|若狭塗の歴史と特徴
貝殻や卵の殻を漆の下に埋め込み、上から何層も塗り重ね、それを削って模様を浮かび上がらせる。模様は描かれているのではなく、掘り出されているということです。1本ごとに模様が違うのは、この作り方のためです。
毎日使うものなので、家族の人数分をまとめて揃えるのに向いています。少額の寄付枠が余ったときにも。
燕のカトラリーは伝統的工芸品ではない
新潟県燕市は金属洋食器(スプーン・フォーク・ナイフ)の一大産地ですが、量産の金属洋食器そのものは経済産業大臣指定の伝統的工芸品ではありません。燕市に関わる指定品目は「燕鎚起銅器(つばめついきどうき)」——銅板を金鎚で打ち起こしてつくる器物——という別の品目です。
これも歴史を見れば納得できます。燕市の公式サイトはこう説明しています。
「これまで長い間養ってきた高度な金属加工技術をもとに、金属洋食器の大量生産に成功」
― 燕市|金属と向き合って400年
つまり燕の洋食器は「伝統技術を土台にした近代産業」です。伝統的工芸品の要件である「製造過程の主要部分が手工業的であること」には当てはまりません。それでも世界的な産地になっているのは、量産の精度そのものが技術だからです。
燕市の規模
燕市のふるさと納税は、工芸系の自治体としては最大級です。
| 年度 | 寄附件数 | 寄附金額 |
|---|---|---|
| 令和5年度 | 162,095件 | 5,428,720,200円(約54.3億円) |
| 令和6年度 | 170,531件 | 5,574,186,300円(約55.7億円) |
※新潟県内2位(燕市公式)
燕市の返礼品募集ページには「日本金属洋食器工業組合」「日本金属ハウスウェア工業組合」が窓口団体として明記されており、金属製品が返礼品の主要カテゴリであることが分かります。
隣接する三条市との使い分けは燕三条のふるさと納税の記事に詳しくまとめました。刃物は三条、カトラリーと調理器具は燕が基本です。
箸とカトラリーの選び方
箸を選ぶとき
| 確認すること | 目安 |
|---|---|
| 長さ | 手を広げた親指と人差し指の長さ×1.5倍が目安。一般に男性23〜23.5cm、女性21〜21.5cm |
| 先端の加工 | 「滑り止め加工」があると豆や麺がつかみやすい |
| 食洗機 | 漆塗りの箸は基本的に不可。「食洗機対応」の記載を確認 |
| 本数 | ペア(2膳)か、1膳か。家族の人数を確認してから |
高温と強アルカリの洗剤で塗膜が傷みます。手洗いしてすぐ拭く。それだけで何年も使えます(漆器の記事)。
カトラリーを選ぶとき
- 18-8か18-10か … ステンレスの成分表示です。数字が大きいほど錆びにくく、光沢が保たれます
- 重さのバランス … 安価なものは薄く軽い。持ったときの重心が手前にあるものは扱いやすい
- 本数セット … 5本・10本・20本など。来客用も考えるなら多めに
- 食洗機 … 金属カトラリーは基本的に対応。木の柄が付いたものは要確認
少額から選べるジャンルです。寄付の上限額が少し余ったときの最後の1品にも向いています。


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