そこで食べ物以外という選択肢です。日本製の道具は、消えないぶん記憶に残り、被りません。
時期と相場の目安
| 目安 | |
|---|---|
| 贈る時期 | おおむね12月初旬〜12月20日ごろまで。関東はやや早め、関西はやや遅めという傾向が言われます |
| 遅れたら | 年内なら「御歳暮」、年明けなら「御年賀」(松の内まで)、それ以降は「寒中御見舞」にするのが一般的です |
| 相場 | 3,000〜5,000円が中心。特にお世話になった相手で5,000〜10,000円 |
お歳暮の作法は地域や家によって違います。ここに書いたのは一般的な目安で、絶対的な決まりではありません。迷ったら、その家や地域で長く続いているやり方に合わせるのが確実です。
食べ物以外を選ぶ理由
お歳暮の定番が食べ物なのには理由があります。相手の好みを外しても消えてなくなるからです。安全な選択です。
ただ、その安全さゆえに全員が同じことを考えます。12月に届くハムと洗剤の山を、毎年どうにか消費している——という家は少なくありません。
・被らない … 同じ品が2つ届くことはまずない
・記憶に残る … 使うたびに贈り主を思い出す
・賞味期限がない … 急いで消費させる負担をかけない
・年末に届いても困らない … 冷蔵庫を圧迫しない
3,000〜5,000円で贈るなら
今治タオル
お歳暮でいちばん外しにくい選択です。今治タオル工業組合のブランド商品認定を受けた製品には赤・青・白のマークが付きます。吸水性・脱毛率・染色堅ろう度に加え遊離ホルムアルデヒドの項目まで含む基準を通ったものだけが名乗れます。
「今治タオル」は地域団体商標(2007年7月6日登録・登録第5060813号)で、組合員だけが使える名称です。認定マークの有無が確かな見分け方になります。
箸・カトラリー
毎日必ず使い、場所を取らない。夫婦茶碗と同じでペアで贈れるのも使いやすい点です。福井県小浜市の若狭塗は経済産業大臣指定の伝統的工芸品で、貝殻や卵殻を漆に埋めて研ぎ出す独特の模様が特徴です。
うつわ(波佐見焼・美濃焼)
取り皿や小鉢のセットが手に取りやすい価格帯にあります。波佐見焼も美濃焼も経済産業大臣指定の伝統的工芸品ですが、性格は違います。波佐見は飾らない普段づかい、美濃は様式の幅が広い——という違いです。
5,000〜10,000円で贈るなら
南部鉄器
指定名称は「南部鉄器」、指定日は昭和50年2月17日。盛岡市と奥州市(水沢)が同じ品目です。
鉄瓶は湯を沸かす道具で、使い始めに2〜3回湯を沸かして慣らす必要があり、内部は洗剤で洗えません。手入れの前提を知らない相手に贈ると、使われないまましまわれます。
鉄急須は内部がほうろうでコーティングされていて洗えるので、扱いが簡単です。ただし直火にはかけられません。
江戸切子
お酒を飲む相手には強い選択です。江戸切子協同組合は「江戸切子」を名乗る条件を①ガラスであること ②手作業であること ③主に回転道具を使用する技法であること ④指定区域(江東区を中心とした関東一円)で生産されていることと定め、組合員以外の使用を禁じています。
バスタオル・上質なタオルセット
同じタオルでも、バスタオルは自分ではなかなか買い替えないものです。ギフトの価値がいちばん出るアイテムのひとつです。
避けたほうがよいもの
- 刃物 … 「縁を切る」を連想させるため、贈答では避けるのが通例です。喜ばれる場合もありますが、目上の相手には避けるのが無難
- 履物・敷物 … 「踏みつける」の意味になるとされ、目上の相手には向きません
- 手入れが難しいもの … 白木の曲げわっぱ、本漆の器、鉄瓶など。使い方を知らないまま失敗させてしまいます
- 大きすぎるもの … 置き場所を奪います。年末は特に負担になります
- 現金・商品券 … 目上の相手には失礼にあたるとされます
「この鉄瓶は使ったあと空焚きで乾かすらしいよ」の一言があるだけで、その品が長く使われるかどうかが変わります。当サイトの手入れの記事を添えるのもひとつの方法です。
のしと喪中の扱い
| 一般的な目安 | |
|---|---|
| のし | 紅白蝶結び。表書きは「御歳暮」、下段に贈り主の名前 |
| 相手が喪中 | お歳暮は贈ってよいとされます。お祝いではなく、お礼の贈り物だからです。ただし紅白の水引は避け、無地の掛け紙にすることが多い |
| 自分が喪中 | 同じく贈ってよいとされます |
| 四十九日前 | 時期をずらし、松の内が明けてから「寒中御見舞」として贈るのが無難 |
年明けに贈ることになった場合の扱いはお年賀の記事にまとめました。


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