ふるさと納税で取り返しがつかない失敗があるとすれば、名義を間違えることです。上限額を超えるのは「損をする」で済みますが、名義を間違えると、控除そのものが受けられません。
しかも気づくのは翌年6月です。国税庁のFAQと自治体の公式案内で、ルールをはっきりさせておきます。
控除を受けられるのは「支出した本人」だけ
国税庁の確定申告FAQに、まさにこの質問と回答があります。
質問
「専業主婦である私の妻が、寄附を行い、寄附先から妻名義で寄附金の領収書を受領しました。妻は、収入がないため私の配偶者控除の対象となっていますが、妻名義で支払った寄附金について、私の確定申告において寄附金控除の適用を受けることができますか。」
「専業主婦である私の妻が、寄附を行い、寄附先から妻名義で寄附金の領収書を受領しました。妻は、収入がないため私の配偶者控除の対象となっていますが、妻名義で支払った寄附金について、私の確定申告において寄附金控除の適用を受けることができますか。」
回答
「妻名義で支払った寄附金については、寄附金控除を適用することができません。」
「寄附金控除は、納税義務者である居住者本人又は非居住者本人が各年において、特定寄附金を支出した場合に適用をすることができます。」
― 国税庁 確定申告書等作成コーナー FAQ(令和元年分・平成31年4月1日現在法令等)
同じことを佐賀市の公式FAQも言っています。
「所得税や住民税を納めている方が寄附金控除を受けられますので、寄附金控除を受けるためには、その納税者本人がふるさと納税を行う必要があります。また、ふるさと納税を行う名義も本人である必要があります。」
― 佐賀市|ふるさと納税 よくある質問
― 佐賀市|ふるさと納税 よくある質問
つまりこういうことです
・世帯として払ったお金でも、名義が違えば控除されません
・寄附金受領証明書の宛名が、控除を受ける人の名前になっている必要があります
・家族の誰の名義で寄付するかは、申し込む前に決めなければなりません(あとから変更するのは簡単ではありません)
・世帯として払ったお金でも、名義が違えば控除されません
・寄附金受領証明書の宛名が、控除を受ける人の名前になっている必要があります
・家族の誰の名義で寄付するかは、申し込む前に決めなければなりません(あとから変更するのは簡単ではありません)
クレジットカードの名義も本人で
寄付者名義とカード名義が違う場合について、複数の自治体が明確に注意しています。
| 自治体 | 公式の案内 |
|---|---|
| 佐賀市 | 「寄附者とクレジットカードの名義人は同一である必要があります。」 |
| 福井県坂井市 | 「はい。寄附者本人名義のクレジットカードをご使用ください。」 |
| 鹿児島県指宿市 | 「ふるさと納税の制度上、すべてのお支払方法において寄付控除を受ける方(寄附者)と決済をする方は同一である必要があります。」 |
「夫の名義で申し込んで、妻のカードで支払う」は避けてください。家族カードも、名義は使用者本人のものになっている必要があります。
なお、これが全国一律の制度上のルールとして明文化されているかまでは確認できていません。ただ複数の自治体が同じ運用を公式に案内している以上、そろえておくのが確実です。
共働き世帯はどちらの名義にするか
共働きなら、2人ともそれぞれの名義で寄付できます。それぞれに上限額があるので、世帯としては合計が使える枠になります。
| 状況 | やり方 |
|---|---|
| 2人とも同じくらいの収入 | それぞれの名義で、それぞれの上限額まで。合計枠が最大になります |
| 収入に差がある | それぞれ自分の上限額まで。収入が多いほうに寄せることはできません |
| 片方が育休・休職中 | その年の所得が下がるので、上限額も下がります。去年の感覚で寄付しないこと |
それぞれ「5団体以内」を数えてください
ワンストップ特例の5団体制限は個人ごとです。夫が5団体、妻が5団体なら、世帯としては10団体に寄付してもワンストップ特例が使えます。ただし申請書はそれぞれの名義で、それぞれ出す必要があります。
ワンストップ特例の5団体制限は個人ごとです。夫が5団体、妻が5団体なら、世帯としては10団体に寄付してもワンストップ特例が使えます。ただし申請書はそれぞれの名義で、それぞれ出す必要があります。
専業主婦・扶養内パートの場合
収入がない、あるいは非常に少ない人がふるさと納税をすると、どうなるか。
結論:控除されるべき税金がないので、ただの寄付になります
ふるさと納税は「払う税金を先に納める」制度です。納める税金がゼロなら、差し引く先がありません。返礼品は届きますが、寄付した金額はまるごと自己負担になります。
ふるさと納税は「払う税金を先に納める」制度です。納める税金がゼロなら、差し引く先がありません。返礼品は届きますが、寄付した金額はまるごと自己負担になります。
しかも前述のとおり、その寄付を配偶者の控除に付け替えることはできません。国税庁のFAQが正面から否定しています。
世帯でふるさと納税をするなら
働いて税金を納めている人の名義で寄付する。これが唯一の正解です。誰のカードを使うか、誰がサイトを操作するかではなく、申込フォームの「寄付者名」を誰にするかが決め手になります。
働いて税金を納めている人の名義で寄付する。これが唯一の正解です。誰のカードを使うか、誰がサイトを操作するかではなく、申込フォームの「寄付者名」を誰にするかが決め手になります。
なお、扶養内パートでも住民税を納めている場合は、少額ながら上限額が生じます。ただし金額はごくわずかなので、世帯としては納税額の多い人にまとめるほうが合理的です。
申し込む前のチェックリスト
- 寄付者名は、税金を納めている本人になっているか
- クレジットカードの名義は、その本人と同じか
- 住所は住民票のとおりか(ワンストップ特例で照合されます)
- ポータルサイトのアカウント名義が家族共用になっていないか
- 寄付先の数を個人ごとに数えているか(5団体以内)
いちばん多いミス
「夫のアカウントで、妻の分もまとめて申し込んでしまった」です。ポータルサイトのアカウントを家族で共用していると起こります。寄付者名の欄は、申し込みのたびに確認してください。
「夫のアカウントで、妻の分もまとめて申し込んでしまった」です。ポータルサイトのアカウントを家族で共用していると起こります。寄付者名の欄は、申し込みのたびに確認してください。
名義を確認したら、返礼品選びへ
名義の確認が済んだら、あとは何を選ぶかだけです。工芸品は自分では買わない価格帯のものが揃っています。


コメント